アルデヒドの還元性
アルデヒドは酸化されてカルボン酸になりやすい。酸化されやすいということは相手を〔 還元 〕する性質が強いということである。そのため,アルデヒドは〔 銀鏡反応 〕を示し,〔 フェーリング液 〕を還元する。
銀鏡反応: アンモニア性硝酸銀([Ag(NH3)2]+を含む水溶液)にアルデヒドを加えて温めると,ジアンミン銀(T)イオン(酸化数+1)が還元されて,単体の銀(酸化数0)が析出する。
反応式 2[Ag(NH3)2]+
+ R-CHO + 3OH− → 2Ag + R-COO− + 4NH3 + 2H2O
(R-はアルキル基(炭化水素基))
フェーリング反応: フェーリング液(Cu2+(酸化数+2)の塩基性の溶液)にアルデヒドを加え温めると,酸化銅(T)(Cu2O:酸化数+1)の赤色沈殿を生じる。
反応式 2Cu2+ + R-CHO + 5OH− → Cu2O↓ + R-COO− + 3H2O
(R-はアルキル基(炭化水素基))
【ケトン】
ケトンの名称は,-CO-(ケトン基)に結合している炭化水素基をアルファベット順に並べて,最後に「ケトン」と付ける。CH3-CO-CH3は慣用名で「アセトン」という。
ケトンは,同じ炭素数で同じ骨格の〔 第二級アルコール 〕を酸化すると得られる。(「アルコールの酸化反応(脱水素反応)」参照)
ケトンはアルデヒドと〔 構造異性体 〕の関係にあるが,これ以上は酸化されない。すなわち,〔 還元 〕性を示さない。
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